塩コラム
「塩の雑学コラム・塩(緑)は、異なもの味な物もの」
「塩味」岡田 正紀
「白」と「赤」の力
日が昇る本の国“日本”が誕生し、太陽を崇める民族として日本の国旗の中心には真っ赤な太陽が描かれています。
生命の源である。
太陽が燃えさかる火の色は、赤い血の色とともに古代から神聖視され、また畏(おそ)れでもあったのです。一方の白色も、清浄とみなされ「白馬」「白鹿」「白山」などの「白」も神聖視されてきました。
「口語拾遺」には、古代においては“塩の白さ”も「浄め」として“呪力あるもの”と考えられていたことが記されています。塩の純白さ、塩のもつ清浄なものとしてとり上げられていったのです。
赤と白の二つの色の対比は、日本の国旗や祝いの赤白の幕のように、日本人の心のなかに惹かれる神聖な組み合せがあったのではないでしょうか。多くの神事やお祓いに純白の塩が使われたことを考えると、赤い太陽を引きたてる塩の力もなかなかで、“赤白”は太古より“一対”の神聖な色なのですね。