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An image 塩コラム An image 「塩味」岡田 正紀

「塩の雑学コラム・塩(緑)は、異なもの味な物もの」

海が塩っぱいわけ

10月のコラムは「海が塩っぱいわけ」です。

徳島県の祖谷山(いややま)地方、現在の三好市に伝わる「塩吹き臼(うす)」の民話があります。

「昔々、やさしくて心の正しい兄と欲張りで利己的な弟がいました。弟は兄の持つ“なんでも欲しいものを出してくれる不思議な宝の臼”をだまし取り、舟に臼を乗せて海に出てしまいます。

弟は舟の上で臼をまわしながら“塩出ろ、塩出ろ”と言っているうちに、山のようにうずたかく出てくる塩の重みで、臼もろとも海の底に沈んでしまいました。そして、いまだに臼から塩を作りだしているのです」という話ですが各地にこれに似た伝説があるそうです。

実際は、地球がまだ熱球の状態の頃、塩酸の雨が地上に降りそそぎ岩石や土の中の溶けやすいナトリウムやマグネシウムを溶かして低いところにたまり、塩酸が溶けるとき中和されてしょっぱい海ができたのだそうです。「塩吹き臼」も欲しいですね。