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An image 塩コラム An image 「塩味」岡田 正紀

「塩の雑学コラム・塩(緑)は、異なもの味な物もの」

家康が愛した「興津鯛」と「佃煮」

4月のコラムは『家康が愛した
「興津鯛」と「佃煮」』です。

徳川家康が“食味家”だったことはよく知られていますが、駿府(静岡)へ隠棲している頃

家康のもとへ興津の局という奥女中が、静岡沖でとれるシロアマダイを生干しにした鯛を土産に持ってくるようになり、これが「興津鯛(おきつだい)」として名物になりました。

静岡で作られる“久能塩”を使った生干しの鯛は、静岡の上等の煎茶でお茶漬けにして食べると美味で、家康も大いに賞味したそうです。 また、家康は江戸を拓くとき摂津国西成郡佃村(大阪市)に住んでいた漁師一族を江戸に呼び“佃島”で、江戸市民への鮮魚供給や江戸湾岸の水路を開かせています。

東京の魚河岸という地名や佃煮は、その名残です。 家康は佃島に住む彼等に土地や金を与えて保護しています。江戸前でとれる魚のたんぱく質や有機塩を含む栄養豊富な魚介を食用として、うまいもの好きの家康は江戸庶民にも恩恵をおよぼしていたのです。佃煮や魚の干物は塩分を上手に摂る家康の健康食だったのですね。