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An image 塩コラム An image 「塩味」岡田 正紀

「塩の雑学コラム・塩(緑)は、異なもの味な物もの」

塩の道は“ヨコの道”

8月のコラムは『塩の道は“ヨコの道”』です。

「塩の文化史」の著者、ヘルマン・シュライバーは“道は、人間の最も素晴らしい創造の一つである”と述べています。

道という一本の線は、土地と人間とを結びつけるだけでなく様々な文化を運んだ人間の知恵の道でした。その道に、絹の道や塩の道、鯖街道と名付けたものも人の交易の証です。

かつて日本列島は戦国時代に権力と武力によって強引に列島を縦断する“タテの道”を作りましたが、一方では海から山を結んだヨコの道が“塩の道”でした。このヨコの道は、タテの道よりもずっと古く、有史以前からより豊かな地を求めて内陸深くわけ行った原始人たちの“発展と交易の道”だったのです。

日本列島には270箇所以上の製塩地がわかっていますが、そこから山に向かって“塩の道”が拓かれていったと思うと、ロマンを感じます。塩を担ぎ、黙々と歩き、踏みかため、働いた道だと思うだけで、塩が愛しくも感じます。