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An image 塩コラム An image 「塩味」岡田 正紀

「塩の雑学コラム・塩(緑)は、異なもの味な物もの」

「塩」を知る

2月のコラムは『「塩」を知る』です。昔は塩を使わずに生活する人々がたくさんいた?お話。

私たちが生きていくのに塩は不可欠のものですが、篠田統編の「食物誌」に塩を意識しないで暮らしていた人たちの話が紹介されています。

台湾山地のタイヤル族は塩を知らず、塩分は食塩を添加するのではなく、他の食品中に含まれる物で摂り塩味が欲しいときは、山にある植物の実や葉から得たり、魚や獣の内臓などで漬けた“なれずし”を作り、獲物の中のミネラルを100%、利用したとあります。

日本では、アイヌの人々は塩を必要としなかったと、瀬川清子の「村の女たち」に書かれています。粟に坐禅草(トレブ・ブクサ)を鍋に入れ、鹿の肉を少し入れて煮ることで塩がなくてもよかったと記されています。

また、塩の入らぬ昆布だしばかりで肉も魚も塩なしで食べていたともありますが、浜の漁場で和人が塩をつけるのを見て、川にのぼってきた鮭を塩したり干したりして塩を知ったと、書かれています。